【導入事例 Vol.13】
徳島大学大学院 教授 任 福継 様

■先生が取り組まれている研究について、教えてください。

これまで存在してきたロボットのほとんどは産業用のものでした。我々が行っているのは、それを家庭用にするための研究です。家庭に持ち込むためには、人間のように感情を持ったロボットである必要があります。ですが、現状では人間の感情がどのように発生しているのか、そのメカニズムは分かっていません。それを脳科学的に解明するのは難しいのですが、私たちはビッグデータを駆使し、工学的なアプローチで人間の感情を計算しています。それにより、ロボットのIQ(知能)とEQ(感情・心)を作り出し、対面する人間の感情認知、ロボット自身の感情創生が可能となるのです。将来的には、人間のようにコミュニケーションがとれる介護ロボットや学習支援ロボットなど、みなさんの身近なところで私たちの研究の成果が活かされるはずです。これまで産業用のただのツール(道具)だったロボットが、みなさんのパートナーになる時代がもうすぐやってきます。

■ワークステーションはどのような用途に使っていますか?

ビッグデータから人間の感情を解析するには言うまでもなく膨大な量の計算が必要になってきます。深層学習や大規模なニュートラルネットワークの学習における計算は普通のコンピューターでは難しいため、そのような計算やロボットの制御にワークステーションを使用しています。その上で重要視するスペックは計算速度と並列計算能力です。ワークステーションではいくつもの計算を同時にできるので、普通のコンピューターなら1週間かかるような計算を10数分程度で行えるようになりました。研究室のネットワーク内であれば別の部屋にいても個人のパソコンからワークステーションにアクセスできるので、とても便利です。おかげで研究の効率が飛躍的に上がりましたね。

■弊社の製品を購入いただく決め手となったのは何でしょうか?

普段からアプライドさんで様々な製品を購入していますが、製品の信頼性はもちろん、見積もりから納品までの早さ、問題発生時の迅速な修理対応が決め手となっています。特に研究者にとってはトラブル時の対応の早さは重要なんですよ。研究スピードの向上を求めて製品を導入しているわけですから、マシントラブルで長時間研究が止まってしまうと意味がないんですね。その点、アプライドさんはメール対応も早いですし、困ったときにはすぐに訪問してくれます。そのような購入後のフォロー体制にはとても満足しています。

■今後弊社の製品に求めることは何でしょうか?

僕は大きなデータを扱う研究を行なっているので、大きな容量と処理スピードの速さを重視しています。今、僕が働いている場所は大学だから大規模なサーバーを使えるけれど、今後、企業がビジネスの運用に取り入れることを考えると、コンパクトな大きさで、かつ、電力と価格があまりかからないものがあるといいなと考えています。
また、今後ビッグデータを使ってビジネスをしていこうとするなら、サーバーの規模や計算機のレベルや内容、アプリケーションの構成など基準を設ける必要が出てくるので、そのあたりを明確化したら、さらに需要が広がっていくのではないかと思います。