【導入事例 Vol.10】
名城大学 准教授 菅野 望 様

■経歴

東京大学・化学システム工学科卒業後、東京大学大学院にて燃焼科学を研究に携わり博士号を取得。2014年より名城大学に勤務し、主に航空宇宙機推進剤やエンジン燃料の着火、燃焼機構の解明とモデル化を研究。

■先生が取り組んでいらっしゃる研究内容について教えてください。

大きく言えば燃焼の研究ですね。基本的には化学燃料が燃焼反応によって物質が変わる時、どれぐらいエネルギーを噴出するのか、どれぐらいの速さで熱が出るのか、どういった状態で燃焼をするのかを調べています。中でも現在力を入れているのは、人工衛星や宇宙ステーション補給機(HTV)の、姿勢制御や軌道修正に使うスラスターという推力を発生する装置の燃焼特性を解明することですね。一般的な内燃機関・エンジン等の燃料も含め、燃料の化学構造に注目し、燃焼の中で起こっている化学反応の過程や実際の燃焼現象を説明できるモデルのほか、燃料構造の変化時にその特性がどう変わるのかといったモデルをつくり、将来的に機械技術に応用してくことが最終目標です。

■ワークステーションはどのような用途に使っていらっしゃるのですか?

極端に圧力の高い状態など、実験ではつくれない条件下での予測にコンピューターでの計算を使っています。実験ができる場合は計算と併用して、計算の妥当性も確かめながら研究を進めている形ですね。計算にも様々あり、分子一つひとつが燃焼によって構造を変える時に放出するエネルギー量や障壁の高さをはじめ、その結果を元に統計力学の理論を使い反応速度定数を計算したりしています。そういったデータを集めて統合することで化学反応のモデルをつくることができ、仮想上の理論計算で、例えばアルコールやヒドラジンなどが着火するのかしないのかといった計算を更にコンピューターで行えるようになっていくんです。最近では他所の研究室と共同し、流体力学の計算に化学反応の計算を考慮することで実際のスラスターやバーナー、エンジンのピストンの中の形状の最適性なども調べていきたいと考えています。

■最も重視されたスペックは何でしょうか?

やはり一番はメモリですね。CPUももちろん大切なのですが、メモリが足りずハードディスクやSSDに書き込みながらの計算となると一気に効率が落ち、せっかくのCPUの性能も活かせなくなってしまいますから。なので、マザーボードに許されるぐらい目いっぱいにメモリを積みたいとオーダーしました。あとは、CFDの計算になるとアウトプットのデータ量がどんどん大きくなってきますで、ハードディスクの容量も重視しましたね。

■ハードウェアの導入にあたり、研究環境に変化はありましたか?

今までは自分で使う計算機があれば良かったのですが、名城大学に移って研究室を持つにあたり、学生の指導を考えていく部分でサーバーの台数が増えたのはまず大きいですね。また、一つの種類の計算であれば並列効率化もできるのですが、少しずつ条件を変えて様々な種類の数の計算をしなければならないので、メモリをたくさん積んだ良いスペックのものを導入出来たのは大変心強いです。

■今回、弊社の製品を購入する決め手になったことは何でしょうか?

今まで他社のものも合わせて何台かPCを購入していますが、アプライドさんは何でも気軽に相談に乗ってもらえる部分が魅力でしたね。使用用途や欲しいスペックなどについて、こちらの要望を汲んで細やかに提案してもらえたんです。提案を見て分からない部分については丁寧に教えてくださるので、やり取りがしやすく安心感がありました。予算的な部分でも極力コストを抑えられるように工夫してもらえたのも大きな理由のひとつですね。

■製品の使い勝手やフォロー体制はいかがでしょうか?

特に不満はないです。こちらの欲しい物やOSはすべて組み込んでもらい、動作チェックもしていただいてからと、納品に関しても丁寧だったのが印象的です。アフターフォローとは言っても、購入してから不具合もなく順調に稼働しているので、今のところお世話になったことがありません(笑)。次回購入の際も、またお願いしたいなと考えています。

■導入ワークステーション

モデル名 / 型式 CERVO GPGPU Type-C
外形寸法 約(W)200×(D)560×(H)430 mm  突起部は除く
初期 OS 非搭載
電源 1000W 80PLUS PLATINUM認証 奥行17.5cm セミモジュラー仕様
チップセット Intel X99チップセット LGA2011v3 
プロセッサー Xeon 4-Core E5-1630V4 3.7GHz (最大3.8Ghz) 10M 140W/VT-x/VT-d/TB2.0/14nm/DDR4-2400
プロセッサー・ファン CPUクーラー サイドフロー静音 21db  LGA775、1155、1156、1366、2011
メモリー 32GB (8GB×4) DDR4-2400 1.2V Registered ECC DIMM
メモリー・スロット 8(空スロット×4) ※最大128GB
ストレージ 1TB (7200rpm, 128MB, 6Gb/s SATA)
対応 RAID RAID 0/1/5/10
光学ドライブ DVDスーパーマルチ (ブラック)
グラフィック nVIDIA GeForce GT610 DDR3 2GB (DVI-I×1, VGA×1, HDMI×1)
計算加速器 GTX1080 GDDR5x 8GB (DVI-I×1、HDMI×1、Displayport1.4 ×3)
サウンド [オンボード] Realtek® ALC1150 8-Channel High Definition Audio CODEC
ネットワーク [オンボード] Intel® I218LMx1、Intel® I210AT x1 Gigabit LAN Controller
USB USB3.0 12ポート(前面:2ポート 背面:10ポート) USB1.1/2.0  0ポート(前面:0ポート 背面:0ポート)
その他 RJ45(LAN)×2、e-SATAx2、
拡張スロット PCI-Express3.0(x16)×7 (空き5)  ※28-Lane CPUの場合、制約あり
ドライブ・ベイ 5インチベイ×4(空き3) 3.5インチベイ×1(空き1) 3.5インチシャドウベイ x5 (空き4)
入力機器 Logicool製 スタンダードキーボードK120黒(USB接続)
Logicool製 オプティカルマウス M100r黒
保証期間 3 年間センドバック方式ハードウェア保証

本製品 CERVO GPGPU Type-C シリーズの製品情報は、こちらをご覧ください。